こんにちは。
スター行政書士事務所の山田です。
このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。
このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。
今日は「ご利用者との関係性は、時間よりコミュニケーションで築かれる」について。
先日、私が成年後見人として、ご支援していた方がお亡くなりました。
利用している特別養護老人ホームの生活相談員さんから「呼吸をしていないようなので、今、救急車を呼んでいます!」と突然の電話。
そのまま救急車で病院に搬送され、息を引き取りました。
この方とは、出会ってから約3ヵ月。
後見人になってからは、1カ月ほどでした。
関わらせてもらった時間はとても短い時間。
しかし、自分としては、とても内容の濃い3ヵ月だったと思っています。
この方は、少し前までは独居で暮らしていた方。
家にいるときは、精神的に不安定になると119番に電話し、「足が痛い」「腰が痛い」と話し、病院へ搬送してもらい、検査をするけど、何も異常はなくそのまま家に戻るということを繰り返していました。
自分が関わるようになってから、「119番に電話する前には自分に連絡をしてください。」と書いた紙を電話の横に置き、救急車を呼ぶ前に連絡をしてもらうようにしました。
そうすると、昼も夜も関係なく、多い時には一日に10回以上電話がかかってくることもありました。
電話で話をすると「なんだか困っちゃって」「今日は、誰か来てくれるのかな?」などと足や腰の痛みとは全く違う話をします。
しばらく聞いていると「じゃあね」と言って一方的に電話を切ってしまう。もちろん、掛かってきた電話すべてに出られるわけではありませんでしたので、私が電話に出ない時は、自ら救急車を呼び、病院に搬送されることもありました。
病院で検査をしても何も異常がなく、病院から「迎えに来てください」と連絡があることもしばしば。
その都度、介護タクシーを手配したり、迎えに行ったり。
ご一緒していた期間は、ほぼ毎日声を聞いていました。
いなくなったことはさみしいけど、人は必ず「最期」を迎えます。
ご本人のことを思い出しながら、死亡後の引継ぎのために書類作成や老人ホームの支払いなど、もう少しお付き合いさせていただきます。