こんにちは。
スター行政書士事務所の山田です。
このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。
このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。
今日は「認知症の人のウソ」をテーマに書いていきます。
時々、介護の仕事をしている人や認知症の人の家族から「○○さん(母や父)は、認知症になってウソばかりつくようになった」といったお話を聞くことがあります。
例えば、(実際は違う仕事をしていたのに)「私は○○の仕事をしていた」と言ったり、(大学を卒業していないのに)「私は、○○大学を卒業した」と言ったり。
確かに事実と異なることを言っているという点では、「ウソ」ということになります。
しかし、ご本人の表情などから「相手を騙そう」と言っているわけではないように思います。
この点、水野裕先生は、実践パーソン・センタード・ケアという本の中で『心のなかで、「(本当は)こうすべきだ」「(あのときは)こうすべきだった」と思っていることも、本人の考え方や行動に影響を及ぼしているのかもしれない。』と書かれています。
このように考えると、ご本人は、「○○の仕事をすべきだった」、「もっと勉強して大学に行くべきだった」などと考えているのかもしれません。
認知症をもった人が事実異なることを言ったとしても、それを「ウソ」とだけ見るのではなく、その言葉の背景には、その人の色々な想いがあるのかもしれない、と考えることで、関わり方も変わってくるのではないでしょうか。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。