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【一人暮らしの人向け】認知症になったら?【生活・介護サービスのことを簡単に解説】

「自分が認知症になった場合どうしたらいいか。」

年を取ればだれもが考えることかもしれません。

現在、認知症を根本的に治療する薬はありません。

ですので、自分が認知症になった時にどのようにして日々の生活を送るのか、少しでもイメージしておくことは大切だと思います。

 

私は行政書士の仕事をする前は、約19年間、特別養護老人ホームの生活相談員やケアマネージャーなどとして働いてきました。

その経験から「1人暮らしの人が認知症になったら」ということを書かせていただきたいと思います。

認知症や身体機能の状態、お住いの環境等によって個別性があることを前提に、ここでは一般的なお話をさせていただきます。

「今、1人で生活をしているので、今後のことが心配…。」と考えているかたのお役に立てれば幸いです。

 

1人暮らしの認知症の人は増加します

内閣府の調査では、2015年の65歳以上の一人暮らしの高齢者は、男性192万人、女性400万人、高齢者人口に占める割合はそれぞれ13.3%、21.1%となっています。

その数は年々増加しており、今後益々増えることが予想されます。

内閣府 平成29年版高齢社会白書(全体版)

認知症は、年齢を重ねるほどリスクが高まるため、今後一人暮らしの認知症の人は増えるでしょう。

だからといって、将来のことを心配しても仕方がありません。

認知症になっても、素敵な生活を送っている方たくさんいますのでご安心ください。

 

認知症とは

まず「認知症とはなにか」ということを少しみてみましょう。

認知症の代表的なものにアルツハイマー型認知症があります。

その数は認知症全体の50%とも言われています。

アルツハイマー型認知症の主な症状として記憶障害や判断力の障害が挙げられます。

また、アルツハイマー型認知症の人は、それらの自覚症状が乏しいと言われています。

例えば、アルツハイマー型認知症の人が「最近何か変だ、おかしい。」と思っていても、それが認知症が原因していると分からず、他の人に相談したり、受診したりという判断が難しくなります。

人と関わる機会を作る

このように認知症になると自ら他の人に相談することが難しくなるといった特徴があるため、多くの場合、認知症になったということは、本人ではなく周囲の人が気が付きます。

しかし、一人で暮らしていて親戚や近所とも交流がない場合、周りの人が異変に気が付かない可能性があります。

そして周囲の人が気が付いた時には、かなり認知症が進行している状態になっていることも少なくありません。

ですので1人で暮らしていても、自分が認知症になった時に誰かに気が付いてもらえるようにしておくことが必要になります。

具体的には、頼ることができる親戚などが近くにいない場合でも、普段からご近所や地域包括支援センターなどといった地域の人たちと関わり合いを持っていることが大切になってきます。

ただ、「近所付き合いは苦手…。」という人もいると思います。

そのような人はコンビニやパチンコ店の店員などでもいいので、どこかで誰かとつながっておくことをお勧めします。

また、お住いの市町村が行っている安否確認サービスなどを利用してもよいと思います。

日常の生活

日常生活を送るためには、買い物や食事作り・お風呂・掃除など色々とやらなければならないことがあります。

認知症になった場合、買った物を忘れて何度も同じ物を買ったり、食事の手順が分からなくなったりといった症状が出てくることがあります。

ただ、認知症になったからといって、すべてのことができなくなるということはありません。

誰かが支援すれば、これまで通りの生活を送ることは可能です。

もし近所の友人などが、買い物や料理の見守りをしてくれれば、その人たちの支援を受けながら生活できるでしょう。

お住いの地域によっては、認知症に対する理解が進んでいて地域の人達で支え合うような仕組みができているかもしれません。

しかし、いくら頼りになる近所の友人といっても、その人自身が高齢だったり、病気を抱えていることも少なくありません。

また、善意で支援をしてくれる人だけではないことも事実です。

私がこれまで相談を受けた中には、近所の人にキャッシュカードを渡してしまった結果、勝手にお金を使われてしまったり、家にあった貴金属がなくなってしまったりとしたケースもありました。

ですので、近所の人を頼るとしても、どこかで限界があることを理解しないといけないと思います。

介護保険サービス

認知症で介護が必要な状態であれば公的な介護保険のサービスが利用できます。

訪問ヘルパーに日常生活に必要な日用品や食材の買い物、料理を一緒に作ったり、洗濯を依頼したりということができます。

食事については、市町村が一食500円程度で配食サービスを実施している場合があるので、安否確認を含めて利用するという方法も有効だと思います。

また、認知症になると何日も入浴をしなくなってしまう場合があるので、デイサービスを利用して入浴をすることも可能です。

訪問ヘルパーやデイサービスのような介護保険のサービスを利用した場合、原則として1割は自己負担になります。(所得によっては2・3割になることもあります。)

例えば、要介護1で、食材の買い物代行や調理、配膳、片づけの訪問ヘルパーを1回45分週3回利用し、デイサービスを週2回利用した場合、1カ月の自己負担金額の目安は8,000円程度になります。(利用料金は、お住いの地域や事業所が算定している加算によって変わります。)

今まで「介護保険サービスを利用したくない。」とサービスを拒否し、限界まで誰の支援も受けないで生活する人を見てきました。

介護サービスを利用したくない理由は、「ヘルパーを自分の家の中に入れるのが嫌だ。」とか「皆でレクリエーションをするデイサービスが合わない。」などです。

しかし、認知症になった場合、誰からも支援を受けず一人で在宅生活を続けることは困難です。

介護保険制度の知識を広く持ったケアマネージャー(介護支援専門員)が、ご本人に合った介護サービスを調整してくれるので、柔軟に介護サービスを利用したほうが良いと思います。

金銭管理

先ほども書きましたが、アルツハイマー型認知症になった場合、主に記憶障害や判断力の低下といった症状が出現します。

それらの症状により、特殊詐欺や悪質な訪問販売業者の被害に合う可能性があります。

私が相談を受けた中には、「家に来たリフォーム業者から色々なことを言われ、数千万円をかけて必要のない家の改修工事をしてしまった。」、「通信販売で服や日用品を大量に購入してしまい、一度も使っていない商品が袋に入ったままの状態で山積みになっていた。」などといったケースがありました。

このようなことが起こらないようにするためには、第三者に金銭管理を依頼する方法があります。

1つは後見制度を利用することです。

後見制度のうち任意後見制度は、認知症などによって判断能力が低下する前に、将来自分が認知症になった時、信頼できる人に財産の管理などを依頼できる制度です。

また、お住いの市町村の権利擁護事業を利用して、社会福祉協議会に財産の管理を依頼するという方法もあります。

老人ホームを利用する場合

これまで書いてきたように、色々な人の支援を受けながら在宅で一人で暮らし続けることも可能です。

しかし認知症の進行や身体機能の低下によって、一人での在宅生活が難しくなる時がくることも想定しておく必要があります。

そのような時は、老人ホームに入居するという選択肢があります。

認知症の人が入居できる主な老人ホームは、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム、介護付き有料老人ホームがあります。

それぞれの老人ホームの特徴は以下の通りです。

特別養護老人ホーム グループホーム 有料老人ホーム
入居基準 原則要介護3以上 要支援2~要介護5

認知症の診断

事業所の所在地に住民票がある

自立・要支援1~要介護5
入居までの期間 長い(地域によって異なる) 短い 短い
利用料

(1割負担の場合)

入居金:0円

月額利用料:8~15万円

入居金:0~百万円

月額利用料:5~30万円

入居金:0~数千万円

月額利用料:15~40万円

居室 個室/4人部屋 個室 個室

これらの老人ホームは、利用期間は設けられていないため、長期入院や医療的ケアが必要になった、集団生活ができないなどといった場合以外は利用を続けることができます。

ただし老人ホームの入居にあたり、注意しなければならないことがあります。

それは、入居契約をする上で、親族や後見人といった第三者の身元保証人を求められるケースが多いということです。

身元保証人の主な役割は、老人ホーム利用中に体調を崩した場合の緊急連絡先、入院したときの手続、退居した場合の荷物の引き取りなどです。

老人ホーム側とすると、ご利用者の体調が悪くなった場合、誰にも相談することができないという状況は避けたいところです。

せっかく特別養護老人ホームの順番が回ってきても、身元保証人になる人がいない場合、順番が先送りになることも考えられます。

兄弟や親戚などで身元保証人になる人がいない場合は、後見人に契約などの支援をしてもらうなどの方法があります。

終末期について

ここまで一人で在宅生活を送ってきた人が認知症になって、地域の人たちや在宅サービス、施設サービスを利用した場合のことを書いてきました。

最後は、終末期についてのことを書いてきます。

人は例外なく最期の時を迎えます。

これまで高齢者福祉の経験の中で、200人以上のご利用者が最期をお迎えになりました。

最期の迎え方は人の数ほどあります。

ここで、お伝えしたいのは、終末期にどのような医療行為を希望するかです。

高齢になり食べ物を飲み込む力が低下してくると、食べ物をうまく飲み込むことができず、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。

一度低下した飲み込む力が元に戻ることは少なく、誤嚥性肺炎を繰り返す方もいます。

口から食べ物を摂ることができず、他に栄養を摂る手段がない場合は、命を維持することができません。

そこで、病院から胃ろうや鼻腔経管栄養などチューブで直接栄養を体内に流す方法を提示されることがあります。

そのときに自分で胃ろうなどを希望するか否か判断ができる状態であれば良いですが、ほとんどの場合は意思疎通が困難な状態になっています。

色々と難しい問題ではありますが、「自分らしい最期を迎えたい」ということであれば、自分の最期の時はどのようにしたいのか、情報を収集・整理した上で、判断ができるときに自分の意向を決めて、それを他の人に伝えておくことが必要だと思います。

 

まとめ

最後に、お伝えしたいことをまとめます。

①認知症になった時は、自分から支援を求めることは困難になるので、普段から誰かとつながっていること大切。

②場合によっては、財産の管理は信頼できる人や機関に任せる。

③柔軟に介護サービスを利用する。

④老人ホームを利用する可能性があることを想定しておく。

⑤自分らしい最期を迎えるために、終末期の意向を他の人に伝えておく。

 

以上です。

 

最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

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