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【介護職員向け】介護事故が起こった時の家族への謝罪について

介護事業所で働いていると、ご利用者が歩行時に転倒したりやベッドや車いすからの転落したり(以下「事故」)する場面に遭遇することがあると思います。

私も介護の仕事をしていた時には、何度もご利用者の転倒事故に遭遇しました。

事業所内で事故が起こった場合に、事業所はご家族に連絡をする必要があります。

ここでは、ご家族に事故の連絡をする際、謝罪はしたほうがいいのか、謝罪をしたことで何か問題が生じるのではないか、という点について書いていきたいと思います。

 

道義的責任と法的責任

事故後、ご家族に連絡をする際、謝罪をしたほうがいいのか、謝罪したことにより何らかの責任を取らなくてはいけなくなるのではないか、といった不安がある人もいるかと思います。

この記事を読んでいる人の中には「謝罪をすると悪いことをしたと認めたことになるから、報告だけにして謝罪はしないほうが良い。」と教えられている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、責任を「法的責任」と「道義的責任」を分けて考えてみたいと思います。

「法的責任」とは相手方に対して損害を賠償する責任です。

一方、「道義的責任」とは人としての道理を守るべき責任です。

道義的責任を認め、相手方に対して、しっかりと謝罪することは、法的責任とは別次元の話です。

 

裁判例

ここで、1つの裁判例を紹介します。

デイサービスの利用者Aさんが、平成20年12月16日の昼食時に食事を誤嚥して平成21年3月5日に死亡したことについて、Aさんの妻子が介護事業所に対し損害の賠償を求めて裁判を起こしました。

この裁判の中で、Aの妻子は、介護事業所の施設長が当初は責任を認めていたにもかかわず、後日被告が法的には責任がないという態度を明らかにしたことは不当と述べました。

しかし、裁判所は、

施設長が謝罪の言葉を述べ、原告らには責任を認める趣旨と受け取れる発言をしていたとしても、これは、介護施設を運営する者として、結果として期待された役割を果たせず、不幸な事態を招いたことに対する職業上の自責の念から出た言葉と解され、これをもって被告に本件事故につき法的な損害賠償責任があるというわけにはいかない、としています。

このように、裁判所は、施設長が責任を認める趣旨と受け取れる発言をしていたとしても、これをもって法的な賠償責任があるというわけにはいかないとしています。

ご利用者に事故が起こった場合に、事業所としてご家族に「○○さんに痛い思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした。」と謝罪をし、事故が起こった時の客観的な状況、事業所で検討した今後の事故対策を嘘をつかずに真摯な態度で説明するべきです。

また、事故の結果、ご利用者が入院している場合は、ご家族が、ご利用者の生命や健康に関して不安があるのか、退院後も自宅で介護することができるのか、病院から施設に戻ることができるのかなどといった不安を抱えている場合も少なくありません。

事業所として最大限の協力をさせていただく旨をお伝えすることも必要になるでしょう。

素直に説明、謝罪をしてもご家族から訴訟や処罰の話がでた場合には、弁護士に相談することが必要です。

まとめ

①責任には法的責任と道義的責任がある。

②事故が起こった場合、介護事業所としてご利用者やご家族に対して、道義的な謝罪はしっかりとするべき。

③ご利用者やご家族が訴訟や処罰を考えている場合は、弁護士に相談する。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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プロフィール

  
スター行政書士事務所 山田拓郎
神奈川県相模原市

日本大学大学院法務研究科中退

介護職出身の行政書士

介護福祉士・介護支援専門員・認知症介護指導者・上級リスクマネージャー

約19年の高齢者福祉分野での経験を生かして

「自分の思い描いた理想の福祉を実践したい」

という志しのある人の事業所設立を支援

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