こんにちは。

スター行政書士事務所の山田です。

このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。

このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。

 

今日は「利用者主体とは?」について。

 

先日、成年後見人としてご支援している方の面会に、有料老人ホームへ行きました。

 

そこの有料老人ホームでは、コロナ禍のため、面会は玄関まで。

玄関に透明の仕切り板を置いて、ご利用者と面会をしました。

 

そこの有料老人ホームは、玄関から見える所にリビングがあり、面会に行ったのが11時30分頃だったため、何人かのご利用者が昼食の前にリビングでお茶を飲んでいました。

 

ご利用者とお話をしていたところ、突然リビングから「寒いから閉めて!」と声が聞こえました。

リビングでお茶を飲んでいたご利用者の1人が発した言葉です。

そこ言葉にハッとして、玄関の扉を見ると、私はうっかり玄関の扉を開けたまま面会をしていました。

 

その瞬間、リビングからスタッフの声が。

「○○さん(寒いから閉めて!と言った人の名前)、今、面会中だから、少し我慢して!」

 

スタッフは、決して悪気があったわけではなく、面会者である私に気を使って、声を出したご利用者にそのような言葉を掛けたのだと思います。

しかし、聞いた私の方は、寒い思いをさせてしまったことだけではなく、「寒いから閉めて」と言ったことでスタッフに注意されたこと、に対してなんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。

 

繰り返しますが、スタッフは決して悪気があったわけではないと思います。

ただ、面会していた自分とすれば、利用者さんを注意するのではなく、私に対して「利用者さんが寒いと言っているので、玄関を閉めてもらっていいですか?」と言ってくれた方が、ずっと良かった。

その方が、「この老人ホームでは、利用者さんが困っているときにスタッフの方がしっかりと代弁してくれる」と思え、ご利用者をお願いしている立場とすると安心できます。

 

介護スタッフの中には、他のスタッフや家族を中心にして仕事をしている人もいます。

しかし本来、中心にいる相手はご利用者。

そこがブレてしまうと、いつまで経っても「利用者主体のケア」「利用者中心のケア」に近づきません。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。