こんにちは。
スター行政書士事務所の山田です。
このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。
このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。
今日は「協力しない家族・協力できない家族」について。
私が特養で働いていたとき、面会に来ない、電話をしても出ない、という家族がいました。
職員側からすると「協力してくれない家族」ということになるのかもしれません。
私の特養での仕事は、生活相談、ケアマネジャー。
ご家族と話をすることも多くありました。
その中で、ご家族には面会に来ない理由として、時々聞いたのが、「自分が小さい時に(父や母から)虐待を受けたので、もう関わりたくない」ということです。
「何度も暴力を受けた」、「小さい時に出て行ってしまった」といったものです。
ご家族からそのような理由を聞くと「協力しない家族」としてレッテルを張ることには、違和感があります。
ご家族としては、父や母に関わることで、幼少期の辛い経験を再び思い出すこともあると思います。
家族の立場で考えると「協力しない」ではなく、「協力できない」ということだと思います。
では、虐待したご利用者を「悪者」として、関わらなければならないのか。
昨今、親などの虐待により命を落とす子どもの報道を見ることがあります。
亡くなった子供と同じくらいの年齢の子を持つ親の立場とすると、虐待をした親などを許せないし、亡くなった子どもたちのことを思うと、とても悲しい気持ちになります。
虐待行為は絶対に許されるものではなりません。
ご利用者の子から、「(父や母から)虐待を受けていた」と聞いた時、感情的には、許せなくなりそうなこともあります。
しかし、高齢者福祉に携わる者として、虐待をしていたとされるご利用者を「悪い人」として、他の人と異なる関わり方をするわけにはいきません。
その人が過去を知った上で、向き合っていくしかないと思います。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。