こんにちは。

スター行政書士事務所の山田です。

このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。

このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。

 

今日は「認知症の人に対する偏見に気が付いたとき」について。

 

朝ランニングをしていると、少しずつ桜が咲いているのを見かけるようになりました。

桜を見ると思い出すことがあります。

それは、認知症の人に対する偏見について。

 

なぜそれを思い出すようになったのか。

特養に勤務していたときの経験からです。

 

自分が働いていた特養では、毎年花見の時期になると、ご利用者と職員で桜が咲いている公園に行き、花見をした後、外食をするという行事がありました。

 

その外食の時、隣に座っていたご利用者が「お兄ちゃん、これ食べきれないから食べて。」と自分の食事の中にあった揚げ物を箸でチョンチョン、と触り、私に言ってきました。

 

そこで自分は咄嗟に「利用者さんから物をもらうことは禁止されているので...」とやんわりとお断りしました。

 

それを見ていた私の上司は、「○○さん(利用者さんの名前)、食べきれないんですか?私がもらいますよ」と言って、何のためらいもなく、利用者さんからその揚げ物をもらい、食べていました。

 

中には、他人の箸がついた物は口にしたくない、という人もいると思います。

しかし、私は基本的に大丈夫。

他の人が触ったものでも気にせず食べることができます。

ただその時は、利用者さんが少しだけ触ったものを口にすることができず、自分の中に、何かバリアのようなものがあることを、利用者さんと上司に教えてもらいました。

 

あれから20年近くが経ちますが、まだまだ自分には、認知症の人に対するスティグマがあると感じます。

言葉では「認知症の人に対する差別や偏見はいけない」と知っているけど、自分は、まだまだできていない。

 

桜を見ると、そんなことを考えます。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。