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【介護ブログ】「財布を盗られた」という認知症の方

こんにちは。

スター行政書士事務所の山田です。

このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験や介護保険制度の情報、福祉について考えていることなどをお伝えしたいと思います。

このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。

 

今日のテーマは、「財布を盗まれたという認知症の方」の話。

Aさん(アルツハイマー型認知症)は、特別養護老人ホームで生活をしています。

Aさんは、週に2~3回

「財布を盗られた」

「ここには泥棒がいる」

と話すことがあります。

このAさんのように、認知症がある人の中には時々「○○を盗られた」という人がいます。

なぜ、認知症のある人は「盗られた」と言うのか、認知症の症状から考えてみたいと思います。

認知症の中で一番多いのはアルツハイマー型認知症です。

その割合は、認知症全体の6~7割とも言われています。

そのアルツハイマー型認知症の症状として記憶障害が挙げられます。

特に直前の記憶を保持できなくなるという、短期記憶障害が出てきます。

多くの人は、財布や通帳などの貴重品は大抵誰にも見つからない場所に隠します。

認知症がある人でもそれは一緒。

しかし、短期記憶障害がある認知症の人の場合、「財布を置いた」という経験自体が記憶からなくなっています。

もし、自分がその立場だったらどう考えるでしょうか?

「あるはずの財布や貴重品がない」

その場合、泥棒に盗られたと考えることも理解できるのではないでしょうか。

決して、誰か特定の人を信用していないから疑うということではないと思います。

自分自身が経験していない(経験したことを忘れてしまっている)ことについて、自分が原因だとは考えることはできず、仕方なく他の人のせいしてしまっていることも多いのではないかと思います。

どのように対応するか

「○○が盗られた」と言われたときは、まずは゛一緒゛に探しましょう。

そして、職員が先に発見しても、認知症がある人が自分で見つけたようにするといいと思います。

そして、見つかった時には

「ほら、○○さんが自分でしまったんでしょ。誰も盗んでなんかいません!」

とご利用者を責めるのではなく、「見つかってよかった」ということを伝えるようにしましょう。

また、このようなことがあったからといって、安易に財布を職員が預かる、ということはお勧めしません。

これからもどこにしまったか忘れてしまうかもしれないけど、本人にとっては大切なモノ。

財布の中にいくら入っているかが大切なのではなく、財布自体が大切なのかもしれません。

ご家族などとも相談し、適切な金額を財布の中に入れてご本人に持ってもらうことがご本人の安心につながります。

また、普段の業務の中で、ご利用者がいない間にゴミ箱を片付けたり、食べかけのお菓子や汚れたパットを片付けることはありませんか。

ご利用者からしてみれば、

「自分がいない間に゛何か゛が変わっている」

このような感覚はあるのではないかと思います。

「自分がいないときに誰かが部屋の中に入っている」

「なんとなく安心できない場所」

このように思われないように、ご本人の部屋から何か持ち出すときにはしっかりと本人に伝えることが大切です。

 

以上、「○○を盗まれた」と話す人について書いてきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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プロフィール

スター行政書士事務所 山田拓郎
1999年に社会福祉法人に入社し、特別養護老人ホームの介護職・生活相談員・ケアマネージャー、グループホーム管理者として勤務。

「一人ひとりが輝ける社会の実現を目指す」をミッションにスター行政書士事務所を開業。現在は、福祉事業所の開業支援や任意後見人として活動している。認知症ケア・虐待防止研修等の講師。

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