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大切な人を忘れさせるのが認知症ケア?

先日、私が後見人をしているAさんの担当ケアマネージャーから「Aさんがショートステイを利用している老人ホームの職員から、『Aさんが家族のことを思い出して泣いた時はどうしたらいいか?』と連絡があったので、そのときは、家族のことは分からない、と答え、Aさんの前では家族の話は一切しない、という対応で統一をお願いします。と伝えました。Aさんが早く家族のことを忘れてくれるといいんですが…」と連絡がありました。

認知症のAさんが家族を思い出して泣いているので、周りの支援者は、それを忘れさせよう、と対応。

きっと、このような対応をする背景には、

・職員が足りない中で、泣いているAさんの対応をすることができない。

・泣いているAさんがかわいそう

といった理由があるのではないかと思います。

確かに介護の現場は常に忙しい現場です。

私も特別養護老人ホームなどで20年仕事をしていたのでよくわかります。

また、日々関わっているAさんが泣いているのを見るのもスタッフとしてはいい気持ちはしないでしょう。

泣いているよりはできれば笑顔で過ごしてもらいたい。

スタッフとすれば当然の気持ちだと思います。

でも、本当にそれがAさんのためになっているのか、という疑問も。

色々な事情があり、在宅での生活が難しく施設を利用しているAさん。

家族と離れて生活をしてみて、家族との大切さを知ったのかもしれません。

自宅に戻ることも選択肢の一つかもしれませんが、色々な事情からすぐには戻ることができません。

家族のことを忘れてもらう、家族と会ってもらう、どちらか一歩が正しいケアということはないでしょう。

しかし、後見人の立場では、Aさんの思いが実現できるように、今後、ケアマネージャーや施設の方と相談をしていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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プロフィール

スター行政書士事務所 山田拓郎
1999年に社会福祉法人に入社し、特別養護老人ホームの介護職・生活相談員・ケアマネージャー、グループホーム管理者として勤務。

「一人ひとりが輝ける社会の実現を目指す」をミッションにスター行政書士事務所を開業。現在は、福祉事業所の開業支援や任意後見人として活動している。認知症ケア・虐待防止研修等の講師。

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