特養での高齢者虐待防止研修
本日、特別養護老人ホームに訪問し、スタッフを対象に高齢者虐待防止についてお話をしてきました。
このように介護事業所のスタッフを前にお話するとき、いつも考えていることがあります。
それは、
「スタッフが自ら考え行動できる研修にする」
ということです。
介護事業所のスタッフに向けて「虐待をしてはいけません。」と伝えても、あまり意味があるとは思いません。
(このくらいは小学生でもわかると思います)
そこで私は、事業所のケアを振り返り、
「不適切な対応はないか」
「不適切な対応を改善するためには何をするべきか」
と考えてもらうようにしています。
研修で出た意見
本日の研修も、高齢者虐待防止法や身体拘束について話をした後、事業所で不適切なケアはないか一人ひとりに考えてもらい、グループごとに改善策を検討してもらいました。
グループからは次のような意見が出ました。
- 利用者さんに対して「ちょっと待って。」ということが多い。
- 忙しいとき、呼ばれても聞こえないふりをしてしまっている
- ご利用者が入浴しているにもかかわらず、浴室の掃除をしている。
- 同じテーブルの人が食事を食べていても、下膳をしている。
などの意見があり、その上で、自分たちで取り組めるところを考えてもらいました。
介護施設での虐待を防止するために「これをやれば虐待は起こりません」といった方法はないと思います。
忙しくストレスフルになりがちな現場だからこそ、事業所のケア、自らのケアを振り返ることは、とても大切なことだと考えます。
そして、一人ひとりの職員がアンテナを立て不適切なケアに気づき、改善していく。
上司から一方的に「○○ができていません」「△△をやりましょう。」と言われるのではなく、職員一人ひとりが自分の頭で考え、行動していくことが大切だと思います。