厚生労働省は、昨年12月27日、2021年度に向けた介護保険制度改正に関する意見書を取りまとめました。

今回の意見書では、利用者負担の見直しが利用者負担の原則2割やケアマネジメントの自己負担は見送られました。

しかし、施設利用者の食費・居住費について、一部で月2万2000円の負担増になります。

また、高所得者の高額介護サービス費を最大で14万1000円に引き上げられます。

その他、主な意見書の内容は次の通りです。

①介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)

  • 一般介護予防事業等による介護予防の取組を推進
  • 総合事業をより効果的に推進し、地域のつながり機能を強化
  • 適切なケアマネジメントを実現するため、ケアマネジャーの処遇の改善等を通じた質の高いケアマネジャーの安定的な確保や、事務負担軽減等を通じたケアマネジャーが力を発揮できる環境の整備
  • 地域包括支援センターの機能・体制の強化

②保険者機能の強化(地域保険としての地域のつながり機能・マネジメント機能の強化)

  • 自立支援・重度化防止等に向けた取り組みを推進するにあたっては、PDCAサイクルを適切に回しながら実施する
  • 保険者機能強化推進交付金について、介護予防や高齢者の活躍促進等の取組を推進するため、抜本的な強化を図る
  • 効果的・効率的な介護を実現していくため、介護関連のデータ収集と利活用が必要

③地域ケアシステムの推進(多様なニーズに対応した介護の提供・整備)

  • 介護サービス基盤の整備にあたっては、高齢者人口や介護サービスのニーズを中長期的に見据えながら計画的に進める
  • 地域の介護サービス基盤の整備にあたっては、介護保険事業(支援)計画と医療提供体制の在り方と一体的に議論を行いながら進める

④認知症施策の総合的な推進

  • 認知症施策推進大綱に沿って、認知症バリアフリー、予防、早期発見・早期対応、介護者(家族)支援等の具体的な施策を推進
  • 認知症の早期発見・早期対応に向けて、かかりつけ医、地域包括支援センター、認知症初期集中支援チーム、認知症疾患医療センター等の体制の質の向上、連携強化
  • 介護者(家族の支援)

⑤事項可能な制度の構築・介護現場の革新

  • 介護職員の処遇改善、多様な人材の参入・活躍の促進、働きやすい環境の整備、介護の魅力向上、外国人材の受入れ環境整備の取組を一層進めることが必要
  •  ロボット・ICT の普及にあたり仕様や業務の標準化や事業者への支援
  •  介護分野の文書の削減・標準化等を進め、現場の事務作業量を削減
  • 報酬請求、指導監査に関する文書の削減

以上の内容が、1月から始まる国会に提出されます。