こんにちは。
スター行政書士事務所の山田です。
このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。
このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。
今日は「認知症ケア お勧めの本3冊」です。
これまで、読んできた認知症関連の本の中で、介護の仕事をしている人におすすめする本を3冊取り上げてみます。
認知症介護基礎研修標準テキスト
まずは、こちら。
認知症介護研究研修センターが監修した「認知症介護基礎研修標準テキスト」
介護の仕事をして半年くらいの人や、半年以上介護の仕事はしているけど、認知症ケアの基本的なことをもう一度学びたいと考えている人におススメです。
令和3年4月からの介護報酬改定で、無資格者への認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました。
その研修のテキストにもなっています。
認知症ケアを実践する上で必要な知識(認知症の種類や「人」に焦点を当てること、適切なかかわり方など)がイラスト入りで分かりやすく書かれているので、介護の経験の浅い人にも読みやすくなっています。
実践パーソン・センタード・ケア―認知症をもつ人たちの支援のために
次に、精神科医師の水野裕先生が書いた「実践パーソン・センタード・ケア―認知症をもつ人たちの支援のために」です。
この本は、介護の仕事の経験年数は関係なく、認知症ケアに携わるすべて人に読んでいただきたい本です。
ちなみに、私がこの本に出会ったのは、高齢者福祉の仕事を始めてから15年位経った頃。
私たちが、普段何気なくやってしまっている行動が認知症の人へ悪影響を及ぼすことや、認知症ケアを実践するための考え方を教えてくれた本です。
読んだ後は、長く介護の仕事をしていた自分でも、次の日から少しずつ行動が変わりました。
そして、著者の水野先生のお話を直接聞いてみたくて、自費で研修にも参加したほどです。
著者は、精神科の医師ですが、特別難しい医学用語はなく、介護の仕事をする人の視点で書かれたとても分かりやすく書かれています。
認知症の人の歴史を学びませんか
最後に、宮崎和加子所(著)、田邊順一(写真・文)「認知症の人の歴史を学びませんか」
私はこの本を、介護事業所の職員を対象にした研修で、いつも紹介しています。
この本は、昭和~平成の病院や老人ホームが写真付きで載っています。
その中には、廊下でズボンを下ろして排せつ介助をしていたり、たくさんの男女が一緒に入浴をしていたり、大部屋でカーテンを開けながらオムツ交換をしたり。
今では絶対にやらないような介護が写真付きで載っています。
この本を見た介護事業所の職員は「ひどい時代ですね」「かわいそう」などと口にします。
しかし、この時代に介護をしていた人たちは決して、利用者さんを「いじめてやろう」、「虐待してやろう」と思っていた人ではありません。
むしろ、先輩や上司に教えられたことを、そのまま実践していた真面目な人たちではないかと思います。
時代と共にケアの内容は変わります。
自分たちが現在、「正しいケア」と思ってやっていることが、この先も「正しいケア」である保証はどこにもありません。
もしかしたら、数十年後、令和3年頃の病院や老人ホームの写真を見た人は「ひどい時代」「かわいそう」などと言うかもしれません。
普段、当たり前にやっているケア振り返るきっかけを与えてくれる本です。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。