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【認知症ケア】帰宅願望がある人とのかかわり方

老人ホームやデイサービスで働く介護職員で、認知症の人の「家に帰ります。」という言葉に悩んでいる人はいませんか。

一生懸命、ご利用者のためにと思って仕事をしていても、「家に帰りたい。」と言われると、さみしい気持ちになったり、そのかかわり方に困難さを感じたりする人もいるかもしれません。

私のことをお話すると、特別養護老人ホーム介護職員をやっていたときに、認知症の人の言動で一番困ったのは「家に帰りたい。」という言葉でした。

その当時、働いて職場の人から

「痴呆(その当時は「痴呆」と呼ばれていました)の人との関わるときは『役者』になることが大切だよ。」

と教わりました。

「役者になることが大切。」

つまり、認知症の人の困った言動には、役者のように演じながら接すること。

もっと分かりやすく言うと

「ウソをついて対応することが大切。」

ということです。

当時の私は、正しい認知症ケアの方法を知らなかったため、しばらくは「ウソ」をつきながらの関わりです。

それから5~6年経ち、痴呆介護実務者研修基礎課程(現:認知症介護実践者研修)を受講することになりました。

そこで、学んだのは、認知症の人の「家に帰りたい。」という言葉や、それに伴う行動に対応することだけが認知症ケアではないということです。

研修で学んだことを職場で実践する中で変わったこと。

それは、

〇認知症の人の言動

〇私の認知症の人に対する見かた

この記事の内容を理解し実践することで、徐々に認知症の人の言動や、自分自身の認知症の人に対する見かたも変わってくると思います。

それでは始めましょう。

 

認知症の人の特徴

認知症の人は、なぜ「家に帰る。」と訴えのでしょうか。

もちろん、本当の理由はご本人しかわかりません。

しかし、介護職員として理由を考えることはとても大切なことです。

まず、認知症の人の特徴を考えてみましょう。

認知症の原因疾患の中で一番多いと言われているアルツハイマー型認知症の中核症状には、記録障害や見当識障害などがあります。

アルツハイマー型認知症の症状についてはこちら

例えば、老人ホームに入居している認知症の人の場合、

〇自宅で生活ができなくなったから老人ホームに入居しているということの記憶がない。

〇老人ホームの職員のことがわからない。

〇今、自分がいる場所がわからない。

といった状態にあると言えます。

これは、認知症ではない人が、自分が自宅で生活することができなくなったから老人ホームに入居した、ということを理解しているのとは大きな違いです。

もし、自分に置き換えてみたらどうでしょうか?

「知らない人や物に囲まれている状態。」

もしかすると、これを読んでいる人も「家に帰ります。」という訴える人もいるのではないでしょうか。

そして、その訴えを誰も聞いてくれなければ、玄関をガチャガチャしたり、出口を探して他の人の居室に入ったりといった行動をしても、不思議ではないと思います。

では、どのように関われば良いのでしょうか。

具体的に考えていきましょう。

 

関わり方を考える

従来の認知症ケアは、

認知症の人

「家に帰ります」

介護職員

「今日はバスが終わってしまったので、明日帰りましょう。」

「今、タクシーを呼んでいるからちょっと待っててください。」

「散歩に行きましょう。」

などと声をかけ、認知症の人が「家に帰る。」と訴えなくなるのを待つ、といった対応が多いのではないでしょうか。

私も認知症の研修を受けるまではそのような対応方法でした。

しかし、認知症の人は、先ほども書いたように記憶障害や見当識、判断力の低下などの障害があることが多く、自分が考えていることを正しく相手に伝えることが難しい状態になっていることがあります。

そこで、認知症の人の言動の原因を探り、その原因に合ったケアを実践することが必要になります。

では、原因はどのように探れば良いのでしょうか。

例を挙げてみましょう。

〇お腹が空いていたり、喉が渇いていないか。

〇体に痛みや痒みはないか。

〇なぜここにいるのか不安を感じていないか。

〇何をしていいのか不安になっていないか。

〇家族に会いたかったり、声を聞きたいと思っていないか。

〇ザワザワして落ち着かない環境ではないか。

〇疲れたので休みたいのではないか。

〇便秘はしていないか。

〇飲んでいる薬の副作用などないか。

などといった視点から原因を探ってみてはどうでしょうか。

もちろん、原因がはっきり分かるとは限りません。

しかし、認知症の人の言動の原因を考え、実践するということを繰り返すと、当然認知症の人を知ろうと努力します。

そうすると、今まで見えなかったものが見えてくると思います。

 

まとめ

いかがでしたか。

認知症の人が「家に帰る。」といった言動があるときに、「この対応で落ち着きます。」といった魔法のケアはありません。

繰り返しになりますが、認知症の人の言動の原因は何かを考え、その原因を解決するために実践をすること。

これが大切になります。

もちろんすぐには結果はでないことも多いでしょう。

しかし、時間はかかるかもしれませんが、地道に支援することが大切です。

 

以上、認知症の人の「家に帰ります。」について書いてきました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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プロフィール

  
スター行政書士事務所 山田拓郎
【事業所理念】一人ひとりが輝ける社会の実現を目指します

福祉事業所設立支援/後見業務/研修講師

神奈川県相模原市

介護福祉士/ケアマネージャー/認知症介護指導者(認知症介護研究・研修東京センター)/上級リスクマネージャー/パーソン・センタード・ケアと認知症ケアマッピング基礎コース研修修了

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