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任意後見監督人の職務や報酬について

成年後見制度は、認知症や知的障がい、精神障がいなど精神上の障がいによって判断能力の衰えた人を保護するための制度です。

成年後見制度は、家庭裁判所が判断能力の低下した人に後見人や保佐人、補助人をつけて、その状態に従った保護をする法定後見と、あらかじめ本人が、信頼できる任意後見人と委任する事項を決めておき、判断能力が低下してときに、裁判所が任意後見監督人を選任することで後見を開始する任意後見があります。

ここでは、任意後見監督人の資格や職務についてみていきます。

 

任意後見監督人になれない者

任意後見監督人になるための資格について、特に法律上決められているわけではありません。

しかし、任意後見監督人になれない者は法律上次のように決められています。

①任意後見受任者または任意後見人の配偶者、直系血族および兄弟姉妹(任意後見契約に関する法律(以下「法」)5条)

②未成年者(法7条4項による民法847条の準用)

③家庭裁判所で過去に後見人・保佐人・補助人の地位を解任されたことのある者(法7条4項による民法847条の準用)

④親族喪失・管理権喪失の宣告を受けたことのある者(法7条4項による民法847条の準用)

⑤破産者(法7条4項による民法847条の準用)

⑥本人に対して訴訟をし、またはした者及びその配偶者並びに直系血族(法7条4項による民法847条の準用)

⑦行方の知れない者(法7条4項による民法847条の準用)

 

任意後見監督人の候補者

任意後見監督人の候補者は、本人の親族や友人の他、法律実務家や福祉関係者が選任されています。

また、社会福祉協議会等福祉関係の法人も選任されることが考えられます。

家庭裁判所は、成年後見監督人を選任するにあたり、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、任意後見監督人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見監督人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなけばなりません。(法7条4項による民法843条4項の準用、特別家事審判規則3条の3)

 

任意後見監督人の職務

任意後見監督人の具体的な職務には次のものがあります。

 

任意後見人の事務を監督すること(法7条1項1号)

任意後見人が不正行為や権限の濫用等を行わないように監督する役割があります。

任意後見人に対して財産管理や身上監護について行った内容を報告させ、適切でない場合には是正させます。

任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告をすること(法7条1項2号)

任意後見人の事務内容や問題点を家庭裁判所に報告します。

どの程度の頻度で提出するかは、裁判所が指示します。

 

急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において、必要な処分をすること(法7条1項3号)

任意後見人が病気などで後見業務が行えない場合には、任意監督人が任意後見人の代理権の範囲内で適切な業務を行わなければなりません。

 

任意後見人又はその代表する者と本人との利益が相反する行為について本人を代表すること(法7条1項4号)

例えば、認知症の母の任意後見人を長男が行っていた場合において、夫が亡くなったときの相続について、相続人である母の相続する額が増えると長男の相続する額が減るので、母と長男とで利益が相反し、任意後見人である長男は母を代理して相続の手続をすることはできません。

このような場合、任意後見監督人が母を代理することになります。

 

家庭裁判所の監督

家庭裁判所は、任意後見監督人を通して間接的に任意後見人を監督します。

家庭裁判所は、必要があると認めるときは、任意後見監督人に対し、

〇任意後見人の事務に関する報告を求めること

〇任意後見人の事務若しくは本人の財産の状況の調査を命じること

〇その他任意後見監督人の職務について必要な処分を命ずること

ができます。(法7条3項)

 

任意後見監督人の報酬

「家庭裁判所は、任意後見人及び本人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる」(法7畳4項、民法862条)と定められています。

任意後見監督人の報酬を決定するに当たり、任意後見人の報酬額が参考にされます。

任意後見人の報酬が高ければ、任意後見監督人の報酬も高くなることが考えられます。

目安としては、任意後見人の報酬額の3分の1、1~3万円くらいが目安になると言われています。

任意後見監督人の報酬も、任意後見人同様、本人の財産の中から支払われるので、本人の収入や預貯金の金額を考慮し、本人の生活が不安になるような報酬額にはなりません。

また、監督人の職務の内容が複雑な場合、後見人の果たした評価も上がるものと思われます。

 

以上、任意後見監督人の職務や報酬について書いてきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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プロフィール

  
スター行政書士事務所 山田拓郎
【事業所理念】一人ひとりが輝ける社会の実現を目指します

福祉事業所設立支援/後見業務/研修講師

神奈川県相模原市

介護福祉士/ケアマネージャー/認知症介護指導者(認知症介護研究・研修東京センター)/上級リスクマネージャー/パーソン・センタード・ケアと認知症ケアマッピング基礎コース研修修了

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