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【介護職員向けブログ】認知症ケアのヒント事例

こんにちは。

スター行政書士事務所の山田です。

このブログでは、私がこれまで高齢者福祉に関わってきた経験や、介護職を対象にした研修でお話してきたことをお伝えしたいと思います。

少しでも介護の仕事をしている方の、お役に立てれば幸いです。

 

今日は、認知症ケアの事例について。

これは、老人ホームの入居者Yさんの事例です。

Yさんの事例が認知症介護でお悩みの方の、何かヒントになればと思います。

Yさんが住む老人ホームは、1階に食堂があり、入居している方は全員そこで食事を食べています。

Yさんは、食事の時間になると、5階にある自分の居室からエレベーターを使用し食堂まで来て、食事を食べ終わると自分の居室に戻っていました。

しかし、徐々にYさんに認知症の症状が出てきます。

その頃から夕食後、食堂で「家に帰る」と言うようになりました。

スタッフは、Yさんが「家に帰る」と言っても、「今日はバスが終わっているので明日にしましょう」「あとで家族に迎えに来てもらいましょう」などとその場しのぎの対応をしていましたが、なかなか納得しません、

スタッフは、他の利用者さんの介助もしなければならず、ずっとYさんの対応をするわけにもいきません。

結局、Yさんが疲れて「家に帰る」という訴えがなくなるまで、施錠した玄関の前のソファに座ってもらって、見守りをするという対応をしていました。

そのような状態が続いた後、カンファレンスを開き、Yさんの「家に帰る」という言動についてスタッフで話し合いました。

まずは、Yさんの認知症の症状について整理をしました。

認知症の症状として、記憶障害や場所の見当識障害があり、これまで自分の行きたいところに自分で行くことができましたが、現在は難しくなっているのではないか、とのこと。

また、思考力の低下もあり、自分が何をしたらいいかわからなくなっているのではないか、という意見も出ました。

そして、Yさんはこれまで夕食後すぐに自分の居室に戻って、自分のペースで過ごすのが習慣。

もしかしたら、Yさんの言う「家」とは「自分の居室」のことではないか、自分の居室に戻りたいけど、戻れずに困っているのではないか、という意見が出ました。

そして、Yさんが「家に帰る」と話した時は「居室に誘導してみよう」ということが決まりました。

翌日の夕食後、Yさんが「家に帰る」と言ったとき、スタッフはYさんを居室まで誘導しました。

しばらくYさんの様子を見ていると、Yさんはそのままベッドで休みました。

それからは、夕食後は早めにYさんを居室まで誘導し、休んでもらうことになりました。

認知症ケアの知識がなければ、「(実際は明日も帰れないのに)今日はバスが終わっているので明日にしましょう」と声掛けしたり、疲れて眠くなるまでその場で見守りという名の放置をしたりと、Aさんの意向(夕食後は部屋で休みたい)を無視した、その場しのぎのケアが続いていたかもしれません。

認知症の人の意向に沿ったケアを行っていくためには、まずはスタッフが認知症ケアの知識を理解することが大切だと思います。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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プロフィール

スター行政書士事務所 山田拓郎
1999年に社会福祉法人に入社し、特別養護老人ホームの介護職・生活相談員・ケアマネージャー、グループホーム管理者として勤務。

「一人ひとりが輝ける社会の実現を目指す」をミッションにスター行政書士事務所を開業。現在は、福祉事業所の開業支援や任意後見人として活動している。認知症ケア・虐待防止研修等の講師。

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