厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は、2021年度介護報酬改定における、認知症への対応力強化について次のように提案しました。
認知症ケア加算
専門的な認知症ケアを普及する観点から創設された認知症専門ケア加算について
・在宅の中重度の要介護者も含めた認知症対応力を向上させていく観点から、訪問系サービスにおいても、現行の認知症専門ケア加算の要件を踏まえて、加算の対象とすることを検討してはどうか。
・これまでに加算を算定していない理由として、認知症介護実践リーダー研修及び認知症介護指導者養成研修の修了者の確保が困難との回答が多いことも踏まえつつ、質を確保しながら、e-ラーニングの活用等により、受講しやすい環境整備を行うこととしてはどうか。
・さらに、診療報酬の認知症ケア加算の要件も踏まえ、算定要件である「認知症介護指導者養成研修の修了者の配置」を満たす資格要件に、認知症ケアに関する専門性の高い看護師(認知症看護認定看護師、老人看護専門看護師及び精神看護専門看護師)を加えることとしてはどうか。
行動・心理症状(以下、BPSD)への対応力の向上
・居宅サービスも含め、全ての介護事業者にとってBPSDへの対応力向上が求められていることから、BPSD対応に係る各事業所の取組状況(研修の受講状況等)について、利用者が情報公表システム上で確認できる仕組みを検討してはどうか。
・在宅高齢者の緊急時の宿泊ニーズに対応できる環境をより一層推進する観点から、短期利用の報酬区分がある(看護)小規模多機能型居宅介護について、施設系等と同様に、認知症行動、心理症状緊急対応加算の対象とすることを検討してはどうか。
認知症介護基礎研修
・認知症施策推進大綱も踏まえ、認知症介護基礎研修を全てeラーニング化した上で、介護に直接携わる職員のうち、「無資格者」に対しては、認知症基礎研修の受講を義務付けることを検討してはどうか。その際、一定の経過措置を設けてはどうか。
以上、2021年度介護報酬改定について社会保障審議会介護給付費分科会の資料から抜粋しました。
今後、分科会の議論は年末の向けて取りまとめられていくことになります。