本日、相模原市認知症介護実践者研修で、認知症の人の権利擁護についてお話をしてきました。
「権利擁護」というと小難しい話になりそうですが、認知症ケアの現場で必要なことは、次の二点だと考えています。
①認知症の人の代弁者となること
まず一点目は、職員が認知症の人の代弁者になることです。
アドボカシーとも言います。
認知症の人は、記憶障害、失語といった中核症状によって、自分の考えていることを相手に伝えることが難しい状態になっています。
認知症のケアの専門職として、認知症のご本人は何がしたいのか、何に困っているのかを導き出して代弁することが大切だと思います。
②事業所で虐待が起きないこと
事業所で虐待が起こらないようにするためには、虐待に至らない「不適切なケア」の段階でその芽を摘むことが大切です。
不適切なケアの具体例として
何も言わずに車いすに乗っているご利用者を、移動する。
「~ちゃん」など子ども扱いする。
などが挙げられます。
この他にも介護の現場で「不適切なケア」と言われているものは無数にあり、一つずつ覚えることは不可能だと思います。
そこで、不適切なケアか否かの判断基準として、「関わり方が社会常識に照らして適切か」という視点で検討するといいと思っています。
先ほどの例でいうと、通常我々がイスに座っているときに、何も言われずイスを動かされることなどはまずありえません。
また、年上の人に対して理由もなく「~ちゃん」と呼ぶことはないと思います。
最後は自分の事業所の不適切なケアの事例をグループで検討をしました。
グループワークは、時間が足りずに申し訳ありませんでした。
受講生の皆様、お疲れまでした!