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福祉施設でのプライバシー保護について

福祉施設では、転倒や異食などの事故に注意しなければならない方も多く利用していると思います。

利用している人が、安全に暮らせるよういに支援することは大切なことですが、限られた職員数の中で安全を確保するのはとても大変なことも事実です。

では、事故を防止するために食堂や居室にカメラをつけたり、居室のドアや間仕切りカーテンを開けっぱなしすることはどう思いますか?

ご利用者のプライバシーが問題になる場面です。

プライバシー情報とは、

「個人の私生活に関する、みだりに公開されたくない情報」

のことです。

最高裁判所は、

「個人の私生活上の自由の一つとして、本人の承諾なしに、みだりに容貌等を撮影されない自由があり、憲法13条の趣旨に反し許されない。」

(最高裁昭和44年12月24日大法廷判決)としています。

職員が正当な理由もなく、プライバシー情報を漏洩した場合には、損害賠償請求されるかもしれません。

このように重要なプライバシー情報ですが、プライバシー情報保護の必要性は、公共の場所と私的な場所で異なると考えられます。

例えば、本人の許可なくカメラで撮影される場合、道を歩いている時に撮影されるのと、自宅にいるときに撮影されるのでは、自宅にいるときの方が保護の必要性は高くなるでしょう。

福祉施設で公共的な場所と私的な場所について考えてみると、玄関やパブリックスペース、集会場といった場所は、公共的な場所と言えます。

私的なスペースは、居室や食堂、リビングといったご本人の生活の場所が挙げられます。

このようなスペースでは、プライバシーを保護しなればなりません。

ご利用者の事故防止のため、食堂や居室にカメラを設置し、本人の同意なく24時間365日ご利用者の動きを録画している施設があります。

この場合は、プライバシー権の侵害だと考えます。

確かに、前にも書いたように転倒や異食など、ご利用者の事故を防止することは職員の役割だと思います。

しかし、利用者の権利を侵害してまで事故を防止することは、福祉サービスのあり方として許されるものではありません。

それは、認知症や精神障害があっても同じことです。

では、どのようにすればよいのでしょうか。

①本人や家族に対して事故が起きる可能性があることをしっかりと説明する。

②なぜ、そのような行為をするのか多職種でアセスメントする(原因を探る)。

といったことを、本人や家族と一緒に考えていく必要があるのではないかと思います。

認知症や障がいによって施設に入居することになっても、他の人から「ほっといてもらう」ことがあっていいと思います。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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プロフィール

スター行政書士事務所 山田拓郎
1999年に社会福祉法人に入社し、特別養護老人ホームの介護職・生活相談員・ケアマネージャー、グループホーム管理者として勤務。

「一人ひとりが輝ける社会の実現を目指す」をミッションにスター行政書士事務所を開業。現在は、福祉事業所の開業支援や任意後見人として活動している。認知症ケア・虐待防止研修等の講師実績多数。

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