福祉施設で事故が起こった場合の家族への連絡方法として、まずは、職員が電話で事故の内容を伝えることが多いのではないでしょう。

しかし、電話で謝罪や事故の状況を説明しても、ご家族は納得しないこともあると思います。

そのような場合、ご家族が事業所や個々の職員に対して、不信感を抱く前に直接会ってお話することが大切です。

できれば、ご自宅に訪問してお伝えするのが良いと思いますが、訪問されるのを嫌がるご家族なら施設に来所してもらってでも、とにかく会ってお話をすることが大切です。

バードウェステルの研究によると、日常のコミュニケーションで言語の占める割合は、30~35%にすぎないとしています。

つまり、残りの65~70%は、非言語によるメッセージの伝達になります。

研究結果からは、事業所が本当に誠意をもって事実をご家族に伝えたつもりでも、そのことが相手方に伝えられていない場合も出てきます。

実際に会うことにより、職員の表情やしぐさなど非言語的なコミュニケーションによって相手への伝わり方が異なります。

そして、実際に会ってお話するときには、事故が起きてしまったことを受け止め、ご利用者にやご家族に苦痛を与えてしまったとこと対して、謝罪し記録(書面や写真など)に基づいて、事故が起きたときの状況及び今後の対応策といった事業所としての見解をしっかりとお伝えします。

その際、事業所や職員にとっての有利、不利を考える必要はありません。

大切なことは、事業所として事故に向き合い、説明責任を果たす姿勢です。

ご家族が納得できず、裁判になった場合には、肉体的・精神的に負担が大きく、職員の意欲にも影響を及ぼします。

紛争を未然に防ぐという視点が大切です。