こんにちは。

スター行政書士事務所の山田です。

 

このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。

このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。

 

今日は「寄り添うケアとは?」をテーマに書いていきます。

 

介護の現場で仕事をしている人の中には、「寄り添うケアは大切です」や「寄り添って対応しましょう」など「寄り添うケア」という言葉をきいたことがある人も多いと思います。

では、寄り添うケアとは、どのようなケアを言うのでしょうか?

 

私は、寄り添うケアとは、「ご利用者の状況や置かれている環境を把握した上で、困っていることや不安に思うことを理解するように努めること」だと思います。

 

寄り添うケアとはご利用者と同化することではない

寄り添うケアとは、ご利用者と同化することではないと思います。

例えば、グループホームを利用している「家に帰りたい」という人。

この場合、家に帰って生活することを支援すること選択肢の一つです。

しかし、グループホームに入居する人は、在宅生活の限界まで家族が介護をした結果、グループホームに入居する人が多くいます。

また、在宅が虐待など本人にとって著しく不適切な環境にある場合もあります。

この場合、支援者としては、本人が「家に帰りたい」と言ったからといって、本人と同じようにすぐに家に帰る準備をすることが「寄り添う」ということではありません。

 

距離的な近さではない

また、「寄り添うケア」とは、ただ利用者との距離を近くする、ということではありません。

混乱している認知症の人の横にただ座っている、ウロウロと落ち着かない人の後ろについてただ歩いているだけでは、「寄り添うケア」とは言えません。

 

寄り添うケアは「人」にしかできない

最初にも書きましたが、私は、寄り添うケアとは、「ご利用者の状況や置かれている環境を把握した上で、困っていることや不安に思うことを理解するように努めること」だと思います。

体位交換や見守りはロボットでも出来ますが、寄り添うケアは人にしかできません。

本人の言動や過去の生活歴、体調、価値観など事実に基づいて、相手が何に困っていて、何がしたいのか、どのような状態になりたいのか、想像をすることは「人」にしかできません。

この「想像する力」は介護職の専門性の一つだと思います。

寄り添うケアを実践するのは、時間がかかります。

忙しい介護現場では、なかなか時間が取れないのも事実だと思います。

しかし、時間をかけてその人のことを知ろうとすることが、認知症の人が自分らしく穏やかに生活をすることができるためには大切です。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。