Categories: 高齢者介護

認知症のAさんとお正月

今日は、2021年1月1日。

認知症のAさんのお正月の出来事について書いてみたいと思います。

認知症のAさんは、特別養護老人ホームに入居して約5年。

今年は、ご家族が「今年の正月は親戚が集まるので自宅に連れて帰ろう。」とAさんを迎えに来て、自宅に連れて帰りました。

しかし、その数時間後にAさんのご家族から施設に電話が。

「母が『家に帰る!』と言って落ち着かない。何度も説得をしたけど、全然ダメです。申し訳ないけど、これから施設に戻っていいですか?」とのこと。

施設に入る前、長年過ごしていたAさんの自宅ですが、そこはAさんの『家』ではなくなっていたようです。

ホームとハウスは同じ『家』という意味ですが、ホームは、自分が住んでいる場所、安心できる場所、という意味もあるそうです。

特別養護老人ホームに入居してから、毎朝お茶を飲みながら新聞を読み、好きなふりかけをかけて食事をし、家を同じような生活を送る中で、Aさんにとって、いつの間にか特別養護老人ホームが『家』になっていたのでしょう。

ご家族はさみしい思いをしたかもしれませんが、特別養護老人ホームの職員の立場からすると、とてもやりがいを感じた出来事です。

t.yamada

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