こんにちは。
スター行政書士事務所の山田です。
このブログでは、私がこれまで20年以上高齢者福祉に関わってきた経験と介護職員向けの研修でお話してきたことなどをお伝えしたいと思います。
このブログが、少しでも介護の現場で頑張る皆様のお役に立てれば幸いです。
今日は「利用者の尊厳とは?」をテーマに書いていきます。
介護事業所のスタッフの中には、「利用者の尊厳を大切にしたケア」などと『尊厳』という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
社会福祉法や介護保険法には、「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし」、「尊厳を保持し」と明記しています。
この尊厳という言葉、なんとなく大切なのはわかるけど、実際はよくわからないという方も多いのではないかと思います。
尊厳をネットで調べると、「厳かで尊いこと」などと出てきます。
私は、これでもよく分かりません。
自分は、介護事業所のスタッフに向けてお話をさせていただくときには、「尊厳の保持」とは、「ご利用者一人ひとりと人間として関わること」、とお伝えしています。
このように書くと「人間として関わるなんて当たり前ではないか、ご利用者を人間として関わらない、扱わないなんてことはあり得ない。」と言う方もいるかもしれません。
しかし、介護事業所では、自分たちが気づかないうちに、ご利用者は「人」として扱われていないような場面も少なくないと思います。
例えば、
・ご利用者が食事を食べているときに、その周りで掃除を始める
・食事の時間だからといきなりテレビを消す
・本人が目の前にいるのに、その人のことをスタッフ同士で話をする
など。
私たち一人の人格を持った大人が社会生活を送る上で、他者からこのようなことをされることは、あり得ないと思います。
「尊厳」は、大切なのはわかるけど、自分たちには関係のない、遠いところの話。
と、考えている人は、自分の事業所のご利用者ひとり一人が、人として暮らしているか、人として暮らしていけるように関わっているか、を振り返り、課題があれば改善することが大切です。
そうすれば、きっと「尊厳を無視したケア」にはならないと思います。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。