介護ではチームケアは大切だと言われます。
しかし、このチームケア。
「専門職」と言われる人たちが、利用者さんのケアを決定する。
この状況では、利用者さんは反対の意思を持っていたとしても、なかなか、言い出せるものではありません。
また、専門職が集まるカンファレンスでは、これまでの経験や知識、事業所のルールが先行し、結論ありきで話が進行することも少なくないと思います。
例えば、
「老人ホームに入居している方が、寝る前にお菓子を食べたい。」
と思っていても、
「職員が見ていないところ食べては危ない」
「施設のルールで夕食後は、何も食べてはいけない」
といった理由から、居室でお菓子を食べるのは禁止、としている事業所もあるのではないでしょうか。
しかし、人間は常に合理的な判断をするのかといえば、決してそんなことはありません。
「痩せたいのに食べてしまう」
「運動不足なのに車で移動する」
「勉強しなければならないのにYouTubeを見てしまう」
そんな経験をしたことは誰もがあるのではないでしょうか。
合理的、客観的に判断すると、きっと「食べない」、「歩く」、「机に向かう」というのが正解だと思いますが、人間そんなに強くない。
利用者さんも同じです。
つい(自分も含め)福祉専門職は、合理的、客観的な正解を求めてしまいがちです。
しかし、主観的な正解もあるはず。
事業所の中で一番利用者さんの近くにいる存在は介護職員です。
介護職員には、利用者さんの代弁者としての役割もあると思います。
もし、チーム全体がご利用者の意向をあまり考慮せず、結論ありきでケアが決定されそうなときは、あえてチームと反対の意見も必要だと思います。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。