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【令和3年度介護報酬改定】介護医療院について

目次

【令和3年度介護報酬改定】

厚生労働省の資料に基づき、令和3年4月の介護報酬改定(案)の内容をサービス種別毎に整理しました。

全サービス共通事項及び介護医療院の主な改定内容は以下の通りです。

全サービス共通

感染症対策の強化

介護サービス事業者に、感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底を求める観点から、以下の取組を義務づける。その際、3年の経過措置期間を設けることとする。

ア 施設系サービスについて、現行の委員会の開催、指針の整備、研修の実施等に加え、訓練(シミュレーション)の実施

イ その他のサービス(訪問系サービス、通所系サービス、短期入所系サービス、多機能系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援、居住系サービス) について、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等

業務継続に向けた取組の強化

感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての介護サービス事業者を対象に、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション) の実施等を義務づける。その際、3年の経過措置期間を設けることとする。

CHASE・VISIT 情報の収集・活用と PDCA サイクルの推進

介護サービスの質の評価と科学的介護の取組を推進し、介護サービスの質の向上を図る観点から、以下の見直しを行う。

ア 施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASE の収集項目の各領域(総論(ADL)、栄養、口腔・嚥下、認知症)について、事業所の全ての利用者に係るデータを横断的に CHASE に提出してフィードバックを受け、それに基づき事業所の特性やケアの在り方等を検証して、利用者のケアプランや計画に反映させる、事業所単位での PDCA サイクルの推進・ケアの質の向上の取組を評価する新たな加算を創設する。その際、提出・活用するデータについては、サービスごとの特性や事業所の入力負担等を勘案した項目とする。加えて、詳細な既往歴や服薬情報、家族の情報等より精度の高いフィードバックを受けることができる項目を提出・活用した場合には、更なる評価を行う区分を設ける。

イ 施設系サービス、通所系サービス、居住系サービス、多機能系サービスについて、CHASE の収集項目の各領域に関連する加算等において、利用者ごとの計画書の作成とそれに基づくケアの実施・評価・改善等を通じたPDCA サイクルの取組に加えて、 CHASE・VISIT へのデータ提出とフィードバックの活用により更なる PDCA サイクルの推進・ケアの質の向上を図ることを評価・推進する。

ウ 介護関連データの収集・活用及び PDCA サイクルによる科学的介護を推進していく観点から、全てのサービス(居宅介護支援を除く)について、CHASE・VISIT を活用した計画の作成や事業所単位での PDCA サイクルの推進、ケアの質の向上の取組を推奨する。居宅介護支援については、各利用者のデータ及びフィードバック情報のケアマネジメントへの活用を推奨する。

エ CHASE・VISIT を一体的に運用する観点から、VISIT 情報についても上記の枠組みに位置付けて収集・活用する。      

人員配置基準における両立支援への配慮

介護現場において、仕事と育児や介護との両立が可能となる環境整備を進め、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、各サービスの人員配置基準や報酬算定について、以下の見直しを行う。

ア 「常勤」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法による育児の短時間勤務制度を利用する場合に加えて、介護の短時間勤務制度等を利用する場合にも、週 30 時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。

イ 「常勤換算方法」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法による短時間勤務制度等を利用する場合、週 30 時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認める。

ウ 人員配置基準や報酬算定において「常勤」での配置が求められる職員が、産前産後休業や育児・介護休業等を取得した場合に、同等の資質を有する 複数の非常勤職員を常勤換算することで、人員配置基準を満たすことを 認める。

エ ウの場合において、常勤職員の割合を要件とするサービス提供体制強化加算等の加算について、産前産後休業や育児・介護休業等を取得した当該職員についても常勤職員の割合に含めることを認める。

ハラスメント対策の強化

介護サービス事業者の適切なハラスメント対策を強化する観点から、全ての介護サービス事業者に、男女雇用機会均等法等におけるハラスメント対策に関する事業者の責務を踏まえつつ、ハラスメント対策を求めることとする。

会議や多職種連携におけるICTの活用

運営基準や加算の要件等において実施が求められる各種会議等(利用者の居宅を訪問しての実施が求められるものを除く)について、感染防止や多職種連携の促進の観点から、以下の見直しを行う。

ア 利用者等が参加せず、医療・介護の関係者のみで実施するものについて、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイダンス」及び「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を参考にして、テレビ電話等を活用しての実施を認める。

イ 利用者等が参加して実施するものについて、上記に加えて、利用者等の同意を得た上で、テレビ電話等を活用しての実施を認める。

利用者への説明・同意等に係る見直し

利用者の利便性向上や介護サービス事業者の業務負担軽減の観点から、政府の方針も踏まえ、ケアプランや重要事項説明書等における利用者等への説明・同意について、以下の見直しを行う。

ア 書面で説明・同意等を行うものについて、電磁的記録による対応を原則認めることとする。

イ 利用者等の署名・押印について、求めないことが可能であること及びその場合の代替手段を明示するとともに、様式例から押印欄を削除する。

員数の記載や変更届出の明確化

介護サービス事業者の業務負担軽減やいわゆるローカルルールの解消を図る観点から、運営規程や重要事項説明書に記載する従業員の「員数」について、「○○人以上」と記載することが可能であること及び運営規程における「従業者の職種、員数及び職務の内容」について、その変更の届出は年1 回で足りることを明確化する。

記録の保存等に係る見直し

介護サービス事業者の業務負担軽減やいわゆるローカルルールの解消を 図る観点から、介護サービス事業者における諸記録の保存、交付等について、適切な個人情報の取り扱いを求めた上で、電磁的な対応を原則認めること とし、その範囲を明確化する。また、記録の保存期間について、他の制度の 取り扱いも参考としつつ、明確化を図る。

運営規程等の掲示に係る見直し

介護サービス事業者の業務負担軽減や利用者の利便性の向上を図る観点から、運営規程等の重要事項について、事業所の掲示だけでなく、閲覧可能な形でファイル等で備え置くこと等を可能とする。

高齢者虐待防止の推進

障害福祉サービスにおける対応も踏まえ、全ての介護サービス事業者を対象に、利用者の人権の擁護、虐待の防止等の観点から、虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めることを義務づける。その際、3年の経過措置期間を設けることとする。

地域区分

地域区分については、「居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告」(令和元年 12 月 17 日社会保障審議会介護給付費分科会)において、特例(※1)と経過措置(※2)の適用について、対象地域に対して、関係者の意見を踏まえて適切に判断するよう求めるとともに、新たな設定方法の適用についての意向を十分に確認した上で、財政中立の原則の下、令和3年度介護報酬改定において実施することが適当であるとされた。

これを受けて、自治体に対して地域区分に関する意向調査を行ったところであり、その結果を令和3年度からの地域区分の級地に反映する。

(※1)隣接地域全ての地域区分が、当該地域より高い又は低い地域について、当該地域の地域区分の設定値から隣接地域の地域区分の中で一番低い区分までの範囲内で選択できることとする。

あわせて、

・ 隣接地域の中に地域区分が高い地域が複数あり、その地域と当該地域の級地の差が4級地以上ある地域手当の設定がない地域(0%)又は

・ 隣接地域の中に地域区分が低い地域が複数あり、その地域と当該地域の級地の差が4級地以上ある地域

について、当該地域の地域区分の設定値から隣接地域のうち一番低い区分までの範囲内において区分を選択できることとする。

(※2)当該地域における平成 27~29 年度の地域区分の設定値から地域区分の設定方法を適用した後の最終的な設定値までの範囲内で設定を可能とするもの(令和5年度末まで)。

 

介護医療院

災害への地域と連携した対応の強化

災害への対応においては、地域との連携が不可欠であることを踏まえ、非常災害対策(計画策定、関係機関との連携体制の確保、避難等訓練の実施等) が求められる介護サービス事業者を対象に、小規模多機能型居宅介護等の例を参考に、訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならないこととする。

認知症専門ケア加算等の見直し

認知症専門ケア加算等について、各介護サービスにおける認知症対応力を向上させていく観点から、以下の見直しを行う。

ア 訪問介護、訪問入浴介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護について、他のサービスと同様に、認知症専門ケア加算を新たに創設する。

イ 認知症専門ケア加算(通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護においては認知症加算)の算定の要件の一つである、認知症ケアに関する専門研修(認知症専門ケア加算(Ⅰ)は認知症介護実践リーダー研修、認知症専門ケア加算(Ⅱ)は認知症介護指導者養成研修、認知症加算は認知症介護指導者養成研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護実践者研修)を修了した者の配置について認知症ケアに関する専門性の高い看護師(認知症看護認定看護師、老人看護専門看護師、精神看護専門看護師及び精神科認定看護師)を、加算の配置要件の対象に加える。なお、上記の専門研修については、質を確保しつつ、eラーニングの活用等により受講しやすい環境整備を行う。

認知症に係る取組の情報公表の推進

介護サービス事業者の認知症対応力の向上と利用者の介護サービスの選択に資する観点から、全ての介護サービス事業者を対象に、研修の受講状況等、認知症に係る事業者の取組状況について、介護サービス情報公表制度において公表することを求めることとする。

認知症介護基礎研修の受講の義務づけ

認知症についての理解の下、本人主体の介護を行い、認知症の人の尊厳の保障を実現していく観点から、介護に関わる全ての者の認知症対応力を向上させていくため、介護サービス事業者に、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない無資格者について、認知症基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。その際、3年の経過措置期間を設けることとする。なお、認知症基礎研修については、質を確保しつつ、e ラーニングの活用等により受講しやすい環境整備を行う。

看取り期における本人の意思を尊重したケアの充実

看取り期における本人・家族との十分な話し合いや他の関係者との連携を一層充実させる観点から、訪問看護等のターミナルケア加算における対応と同様に、基本報酬(介護医療院、介護療養型医療施設、短期入所療養介護(介護老人保健施設によるものを除く))や看取りに係る加算の算定要件において、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿った取組を行うことを求めることとする。また、施設系サービスについて、サービス提供にあたり、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針決定に対する支援に努めることを求めることとする。

介護医療院等における看取りへの対応の充実

介護医療院及び介護療養型医療施設における看取り期における本人・家族との十分な話し合いや他の関係者との連携を一層充実させる観点から、以下の見直しを行う。

ア 基本報酬の算定要件において、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容に沿った取組を行うことを求める。

イ サービス提供にあたり、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針決定に対する支援に努めることを求めることとする。

有床診療所から介護医療院への移行促進

一般浴槽及び特別浴槽の設置を求める介護医療院の浴室の施設基準について、入所者への適切なサービス提供の確保に留意しつつ、介護療養病床を有する診療所から介護医療院への移行を一層促進する観点から、有床診療所から移行して介護医療院を開設する場合であって、入浴用リフトやリクライニングシャワーチェア等により、身体の不自由な者が適切に入浴でき る場合は、一般浴槽以外の浴槽の設置は求めないこととする。この取扱いは、当該事業者が施設の新築、増築又は全面的な改築の工事を行うまでの間の 経過措置とする。

長期療養・生活施設の機能の強化

介護医療院について、医療の必要な要介護者の長期療養施設としての機能及び生活施設としての機能をより充実させる観点から、療養病床における長期入院患者を受け入れ、生活施設としての取組を説明し、適切なサービス提供を行うことを評価する新たな加算を創設する。具体的な算定要件は以下のとおりとし、入所した日から一定期間に限り算定可能とする。

・ 入所者が療養病床に長期間入院していた患者であること。

・ 入所にあたり、入所者及び家族等に生活施設としての取組について説明を行うこと。

・ 入所者及び家族等と地域住民等との交流が可能となるよう、地域の行事や活動等に積極的に関与していること。

介護医療院の薬剤管理指導の見直し

介護医療院の薬剤管理指導について、介護の質の向上に係る取組を一層推進する観点から、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用によるPDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを新たに評価する。

退院・退所時のカンファレンスにおける福祉用具専門相談員等の参画促進

退院・退所時のスムーズな福祉用具貸与の利用を図る観点から、居宅介護支援の退院・退所加算や施設系サービスの退所時の支援に係る加算において求められる退院・退所時のカンファレンスについて、退院・退所後に福祉用具の貸与が見込まれる場合には、必要に応じ、福祉用具専門相談員や居宅サービスを提供する作業療法士等が参加することを明確化する。

個室ユニット型施設の設備・勤務体制の見直し

施設系サービス及び短期入所系サービスにおける個室ユニット型施設について、ケアの質を維持しつつ、人材確保や職員定着を目指し、ユニットケアを推進する観点から、以下の見直しを行う。

ア 1ユニットの定員を、夜間及び深夜を含めた介護・看護職員の配置の実態を勘案して職員を配置するよう努めることを求めつつ、現行の「おおむね 10 人以下」から「原則としておおむね 10 人以下とし、15 人を超えないもの」とする。

イ ユニットリーダーについて、原則常勤を維持しつつ、仕事と育児や介護との両立が可能となる環境整備を進め、離職防止・定着促進を図る観点から、人員配置基準や報酬算定について、両立支援への配慮に係る見直しを行う。

ウ ユニット型個室的多床室について、感染症やプライバシーに配慮し、個室化を進める観点から、新たに設置することを禁止する。

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の一体的な推進

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組を一体的に運用し、自立支援・重度化防止を効果的に進める観点から、以下の見直しを行う。

ア リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に関する加算等の算定要件とされている計画作成や会議について、リハビリテーション専門職、管理栄養士、歯科衛生士が必要に応じて参加することを明確化する。

イ リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に関する各種計画書(リハビリテーション計画書、栄養ケア計画書、口腔機能向上サービスの管理指導計画・実施記録)について、重複する記載項目を整理するとともに、それぞれの実施計画を一体的に記入できる様式を設ける。

リハビリテーションマネジメント等の見直し

介護老人保健施設(リハビリテーションマネジメント)及び介護医療院(特別診療費(理学療法・作業療法・言語聴覚療法)について、自立支援・重度化防止に向けた更なる質の高い取組を促す観点から、訪問リハビリテーション等と同様に、CHASE・VISIT へリハビリテーションのデータを提出しフィードバックを受けて PDCA サイクルを推進することを評価する新たな加算を創設する。

施設系サービスにおける口腔衛生管理の強化

全ての施設系サービスにおいて口腔衛生管理体制を確保するよう促すとともに、入所者の状態に応じた丁寧な口腔衛生管理を更に充実させる観点から、以下の見直しを行う。

ア 施設系サービスにおける口腔衛生管理体制加算を廃止し、同加算の算定要件の取組を一定緩和した上で、基本サービスとして行うこととする。このため、施設系サービスについて、口腔衛生管理体制を整備し、入所者ごとの状態に応じた口腔衛生の管理を行うことを求める。その際、3年の経過措置期間を設けることとする。

イ 口腔衛生管理加算について、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを評価する新たな区分を設ける。

施設系サービスにおける栄養マネジメントの充実

介護保険施設における栄養ケア・マネジメントの取組を一層強化する観点から、以下の見直しを行う。

ア  施設系サービスにおける栄養マネジメント加算を廃止し、栄養ケア・マネジメントを基本サービスとして行うこととする。このため、現行の栄養士に加えて、管理栄養士の配置を位置付ける(栄養士又は管理栄養士の配置を求める)とともに、入所者ごとの状態に応じた栄養管理を計画的に行うことを求める。栄養ケア・マネジメントが実施されていない場合は、基本報酬を減算する。その際、3年の経過措置期間を設けることとする。

イ 低栄養リスクが高い者のみを対象とする低栄養リスク改善加算について、入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や栄養ケアに係る体制の充実を評価する加算に見直す。その際、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による更なる PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを要件の一つとする(※3(2)①イ参照)。また、管理栄養士の配置について、栄養ケア・マネジメントの質を確保しつつ、管理栄養士が柔軟な働き方ができるようにする観点から、常勤換算方式による確保を求めることとする。さらに、褥瘡管理に関する取組を進める観点から、同加算と褥瘡マネジメント加算との併算定を可能とする。

ウ 経口維持加算について、継続的な経口維持に関する取組を進める観点から、原則6月とする算定期間の要件を廃止する。

多職種連携における管理栄養士の関与の強化

介護保険施設において多職種連携で行う取組について、管理栄養士の役割や関与を強化する観点から、以下の見直しを行う。

ア 看取り期における栄養ケアの充実を図る観点から、介護保険施設における看取りへの対応に係る加算(看取り介護加算、ターミナルケア加算) 又は基本報酬の算定要件において、関与する専門職として管理栄養士を明記する。

イ 褥瘡の発生や改善は栄養と大きく関わることを踏まえ、褥瘡マネジメント加算、褥瘡対策指導管理の算定要件において、関与する専門職として管理栄養士を明記する。

寝たきり予防・重度化防止のためのマネジメントの推進

介護保険施設において、利用者の尊厳の保持、自立支援・重度化防止の推進、廃用や寝たきりの防止等の観点から、医師の関与の下、リハビリテーション・機能訓練、介護等を行う取組を推進することとする。

このため、定期的に全ての利用者に対する医学的評価と、それに基づくリハビリテーションや日々の過ごし方等についてのアセスメントを実施するとともに、介護支援専門員やその他の介護職員が、日々の生活全般において適切なケアを実施するための計画を策定し、それに基づいて日々のケア等を行う取組を評価する新たな加算を創設する。その際、CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める。

褥瘡マネジメント加算等の見直し

褥瘡マネジメント加算(介護医療院は褥瘡対策指導管理)について、介護の質の向上に係る取組を一層推進する観点から、以下の見直しを行う。

ア 計画の見直しを含めた施設の継続的な取組を評価する観点から、3月に1回を上限とする算定について、毎月の算定を可能とする(介護医療院を除く)。

イ 現行の褥瘡管理の取組(プロセス)への評価に加え、褥瘡の発生予防や状態改善等(アウトカム)について評価を行う新たな区分を設ける。その際、褥瘡の定義や評価指標について、統一的に評価することが可能なものを用いる。

ウ CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める。

エ 看護小規模多機能型居宅介護を同加算の対象とする。

排せつ支援加算の見直し

排せつ支援加算(介護療養型医療施設を除く)について、介護の質の向上に係る取組を一層推進する観点から、以下の見直しを行う。

ア 排せつ状態の改善が期待できる入所者を漏れなく支援していく観点から、全ての入所者に対して定期的な評価(スクリーニング)の実施を求め、事業所全体の取組として評価する。

イ 継続的な取組を促進する観点から、現行、6か月間に限って算定可能とされているところを、6か月以降も継続して算定可能とする。

ウ 入所者全員に対する排せつ支援の取組(プロセス)への評価に加え、排せつ状態の改善(アウトカム)について評価を行う新たな区分を設ける。その際、定義や指標について、統一的に評価することが可能なものを用いる。

エ CHASE へのデータ提出とフィードバックの活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることを求める。(※3(2)①イ参照)

オ 看護小規模多機能型居宅介護を同加算の対象とする。

処遇改善加算の職場環境等要件の見直し

介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算の算定要件の一つである職場環境等要件について、介護事業者による職場環境改善の取組をより実効性が高いものとする観点から、以下の見直しを行う。

ア 職場環境等要件に定める取組について、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、以下の取組がより促進されるように見直しを行う。

・職員の新規採用や定着促進に資する取組

・職員のキャリアアップに資する取組

・両立支援・多様な働き方の推進に資する取組

・腰痛を含む業務に関する心身の不調に対応する取組

・生産性の向上につながる取組

・仕事へのやりがい・働きがいの醸成や職場のコミュニケーションの円滑化等、職員の勤務継続に資する取組

イ 職場環境等要件に基づく取組の実施について、過去ではなく、当該年度における取組の実施を求める。

介護職員等特定処遇改善加算の見直し

介護職員等特定処遇改善加算について、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準の実現を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を行うとの趣旨は維持した上で、小規模事業者を含め事業者がより活用しやすい仕組みとする観点から、以下の見直しを行う。

・ 平均の賃金改善額の配分ルールについて、「その他の職種」は「その他の介護職員」の「2分の1を上回らないこと」とするルールは維持した上で、「経験・技能のある介護職員」は「その他の介護職員」の「2 倍以上とすること」とするルールについ、「より高くすること」とする。

サービス提供体制強化加算の見直し

サービス提供体制強化加算について、サービスの質の向上や職員のキャリアアップを一層推進する観点から、財政中立を念頭に、以下の見直しを行う。

ア 介護福祉士割合や介護職員等の勤続年数が上昇・延伸していることを踏まえ、各サービス(訪問看護及び訪問リハビリテーションを除く)について、より介護福祉士の割合が高い、又は勤続年数が 10 年以上の介護福祉士の割合が一定以上の事業者を評価する新たな区分を設ける。その際、同加算が質の高い介護サービスの提供を目指すものであることを踏まえ、当該区分の算定に当たり、施設系サービス及び介護付きホームについて は、サービスの質の向上につながる取組の一つ以上の実施を求めることとする。

イ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、通所系サービス、短期入所系サービス、多機能系サービス、居住系サービス、施設系サービスについて、勤続年数要件について、より長い勤続年数の設定に見直すとともに、介護福祉士割合要件の下位区分、常勤職員割合要件による区分、勤続年数要件による区分を統合し、いずれかを満たすことを求める新たな区分を設定する。

ウ 夜間対応型訪問介護及び訪問入浴介護について、他のサービスと同様に、介護福祉士の割合に係る要件に加えて、勤続年数が一定期間以上の職員の割合に係る要件を設定し、いずれかを満たすことを求めることとする。

エ 訪問看護及び訪問リハビリテーションについて、現行の勤続年数要件の区分に加えて、より長い勤続年数で設定した要件による新たな区分を設ける。

オ 業務負担の軽減や加算の活用を図る観点から、算定率の高い介護職員処遇改善加算において同様に要件として求められる研修実施、会議開催、健康診断実施の要件について、廃止する。

見守り機器等を導入した場合の夜勤職員配置加算等の見直し

テクノロジーの活用により介護サービスの質の向上、業務効率化及び職員の負担軽減を推進していく観点から、令和2年度に実施された介護ロボット導入支援及び導入効果実証研究の結果等も踏まえ、夜勤職員配置加算等について、以下のとおり見直す。

ア 介護老人福祉施設等における見守り機器を導入した場合の夜勤職員配置加算(夜勤を行う介護職員又は看護職員の数が「最低基準を 0.9 以上上回っている場合」)について、見守りセンサーの入所者に占める導入割合の基準を 15%から 10%に緩和する。

イ 介護老人福祉施設等における見守り機器を導入した場合の夜勤職員配置加算について、全ての入所者について見守りセンサーを導入し、夜勤職員全員がインカム等の ICT を使用するとともに、職員の負担軽減や職員毎の効率化のばらつきに配慮し、安全体制やケアの質の確保、職員の負担軽減を要件として、「最低基準を 0.6 以上(②の人員配置基準の緩和が適用される場合は 0.8 以上)上回っている場合」に算定できる新たな区分を設ける。

ウ イの加算の申請にあたっては、

ⅰ 利用者の安全やケアの質の確保、職員の負担を軽減するための委員会の設置、

ⅱ 職員に対する十分な休憩時間の確保等の勤務・雇用条件への配慮、

ⅲ 機器の不具合の定期チェックの実施(メーカーとの連携を含む)、

ⅳ 職員に対するテクノロジー活用に関する教育の実施、

ⅴ 夜間の訪室が必要な利用者に対する訪室の個別実施

を具体的要件とし、テクノロジー導入後これらを少なくとも3か月以上試行し、夜勤職員も参画するⅰの委員会において安全体制やケアの質の確保、職員の負担軽減が図られていることを確認した上で届け出るものとする。

エ アの「最低基準を 0.9 以上上回っている場合」に算定できる加算の取扱いについて、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護及び短期入所生活介護に加えて、介護老人保健施設、介護医療院、短期入所療養介護、認知症対応型共同生活介護における同様の加算についても導入する。イの「最低基準を 0.6 以上上回っている場合」に算定できる加算の取扱いは、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、短期入所療養介護及び短期入所生活介護において導入する。

テクノロジーの活用によるサービスの質の向上や業務効率化の推進

介護事業者によるテクノロジーの活用によるサービスの質の向上、業務効率化及び職員の負担軽減の取組を評価する観点から、以下の見直しを行う。

サービス提供体制強化加算について、新たに設ける区分の算定に当たり、施設系サービス及び居住系サービスに一つ以上の実施を求めるサービスの質の向上につながる取組の事項の一つにテクノロジーの活用を盛り込む。

介護老人福祉施設等の人員配置基準の見直し

特別養護老人ホーム及び地域密着型特別養護老人ホーム等の人員配置基準について、人材確保や職員定着の観点から、職員の勤務シフトを組みやすくするなどの取組を推進するとともに、入所者の処遇や職員の負担に配慮する観点から、食事、健康管理、衛生管理、生活相談等における役務の提供や設備の供与が入所者の身体的、精神的特性を配慮して適切に行われること、労働関係法令に基づき、職員の休憩時間や有給休暇等が適切に確保されていることなどの留意点を明示しつつ、以下の見直しを行う。

ア 従来型とユニット型を併設する場合において、入所者の処遇に支障がない場合、介護・看護職員の兼務を可能とする。

イ 広域型特別養護老人ホーム又は介護老人保健施設と小規模多機能型居宅介護事業所を併設する場合において、入所者の処遇や事業所の管理上支障がない場合、管理者・介護職員の兼務を可能とする。

ウ サテライト型居住施設において、本体施設が特別養護老人ホーム・地域密着型特別養護老人ホームである場合に、本体施設の生活相談員により当該サテライト型居住施設の入居者の処遇が適切に行われると認められるときは、生活相談員を置かないことを可能とする。

エ 地域密着型特別養護老人ホーム(サテライト型を除く)において、他の社会福祉施設等との連携を図ることにより当該地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、栄養士を置かないことを可能とする。

介護医療院の移行定着支援加算の廃止

算定期限が令和3年3月 31 日までとされている介護医療院の移行定着支援加算について、介護医療院の開設状況を踏まえて、廃止する。

介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)の廃止

介護職員処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)について、上位区分の算定が進んでいることを踏まえ、廃止する。その際、令和3年3月末時点で同加算を算定している介護サービス事業者については、1年の経過措置期間を設けることとする。

介護保険施設におけるリスクマネジメントの強化

介護保険施設における事故発生の防止と発生時の適切な対応を推進する観点から、以下の対応を行う。

ア 市町村によって事故報告の基準が様々であることを踏まえ、将来的な事故報告の標準化による情報蓄積と有効活用等の検討に資する観点から、国において報告様式を作成し周知する。

イ 安全対策を恒常的なものとする観点から、施設系サービスの事業者を対象に、事故発生の防止のための安全対策の担当者を定めておくことを義務づける。その際、6月の経過措置期間を設けることとする。

ウ 運営基準における事故発生の防止又はその再発防止のための措置(指針の作成、安全対策委員会の設置・開催、従業員研修の実施、安全対策の担当者の設置(上記イ))が講じられていない場合は、基本報酬を減算する。その際、6月の経過措置期間を設けることとする。

エ 安全対策をより一層強化する観点から、安全対策部門を設置するとともに、外部の安全対策に係る研修を受講した安全対策の担当者を配置し、組織的に安全対策を実施する体制が整備されていることを評価する新たな加算を設ける。

基準費用額の見直し

介護保険施設における食費の基準費用額について、令和2年度介護事業経営実態調査結果から算出した介護保険施設の食費の平均的な費用の額との差の状況を踏まえ、利用者負担への影響も勘案しつつ、必要な対応を行う。

 

以上が令和3年度の介護医療院の主な改定内容です。

今後、パブリックコメントを経て年明けに決まることになります。

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プロフィール

スター行政書士事務所 山田拓郎
1999年に社会福祉法人に入社し、特別養護老人ホームの介護職・生活相談員・ケアマネージャー、グループホーム管理者として勤務。

「一人ひとりが輝ける社会の実現を目指す」をミッションにスター行政書士事務所を開業。現在は、福祉事業所の開業支援や任意後見人として活動している。認知症ケア・虐待防止研修等の講師。

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