成年後見制度とは、精神上の障害によって判断能力の低下した人を保護するための制度です。

成年後見制度の対象は、主に認知症の人や、知的障がい者、精神障がい者になります。

では、浪費者(金銭を無駄に使ってしまう人)や重度の身体障がい者は成年後見制度を利用することはできるでしょうか。

 

浪費者

成年後見制度開始前の2000年3月までは禁治産・準禁治産宣告という制度がありました。

浪費者は、準禁治産宣告の対象とされており、宣告を受けた場合、保佐人が付され一定の重要な財産上の行為をするためには保佐人の同意が必要になりました。

この制度は、本人である浪費者の財産を保護するためというよりも、家(家族等)の財産保護のために利用されることも少なくありませんでした。

また、浪費者に対する懲罰的な意味も持ち、浪費者本人が改悛すれば、家族が宣告取消しの申立てをするこということもありました。

このような事情から、成年後見制度では、判断能力を有する浪費者を成年後見の対象外としました。

 

身体障害者

先ほども書きましたが、成年後見制度は精神上の障害(認知症、知的障がい、精神障がい等)により判断能力が不十分になった人をサポートする制度です。

ですので、身体上の障がいがあった場合でも、精神上の障がいがない人は成年後見制度の対象になりません。

重度の身体障がいにより、意思疎通が難しい人も対象外になります。